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【那須川天心】世界挑戦を見据える“ゼウス”が直面したパンチ力の課題とは?

WBC世界バンタム級1位の【那須川天心】が、6月8日の前哨戦でWBA6位ビクトル・サンティリャンに判定勝利し、11月に予定される世界挑戦へと前進した。


だが、彼自身が「パンチ力がない」と語るように、試合には満足しきれない“課題”が残された。

プロ転向からわずか2年、無敗で世界ランカーに上り詰めた那須川天心。だが今回の試合後、彼は「僕は他のボクサーに比べてパンチ力はない」と率直に語った。その上で「だからこそ、試行錯誤して強くなれる」と前向きに語る姿は、むしろ完成された“スター”ではなく、進化途中のファイターであることを強調していた。

ゼウスに例えた自己像。「全知全能」を目指すという彼の発言からは、単なる勝利よりも“完成された万能型ボクサー”を追求する覚悟が見て取れる。

試合中に披露した通称「カエル跳びアッパー」。本人は「緑のコスチュームだったし、完全にカエルになっていた」と笑いながら振り返った。観客を沸かせる創造的な攻撃を繰り出す一方で、「あれで倒せていたらトノサマガエルだったが、倒せなかったのでガマガエル」と自虐的に締めるあたりに、那須川の人間味とユーモアがにじむ。

SNSでもこの“跳ねるアッパー”は話題になり、試合内容以上に那須川のキャラクター性が再評価されたポイントでもあった。

試合は99-91、100-90という圧倒的な判定勝利。だが、那須川本人の表情には納得感はなかった。サンティリャンは200戦以上のアマ経験を持つ技巧派サウスポーであり、決して簡単な相手ではなかったが、「KOできなかったこと」は大きな反省点となった。

リング上でも「課題が多く見えた」とコメントしたように、冷静に自己分析できる視点は彼の成長力の証でもある。むしろ、この悔しさが那須川をさらに高みに押し上げる原動力となるだろう。

那須川の次戦は11月に予定されていた世界初挑戦の可能性があったが、ジム会長・本田明彦氏は「カードは埋まっている」と語り、スケジュールの流動性を示唆。
WBC王者・中谷潤人がIBFとの統一を果たした直後というタイミングもあり、那須川の挑戦が実現するかは未だ不透明だ。

一方で、WBAやWBOなど各団体でも防衛戦や指名試合が立て込んでおり、那須川にとっては「待つ」時間が成長の猶予期間になるかもしれない。

那須川は「これと決めつけると成長が止まる」と語り、現時点の自分を“完成品”として見ていない。接近戦からアウトボクシングまで幅広いスタイルを磨こうとする姿勢は、いずれ“パウンド・フォー・パウンド”最強の称号にもつながるポテンシャルを感じさせる。

ボクシングに限らず、あらゆる分野で“完成されていない者”こそが最も強くなる。那須川天心は、まさにその象徴だ。

那須川天心の現在の戦績は?

2025年6月現在、那須川天心のプロボクシングでの戦績は7勝0KOです。KO勝ちこそないものの、正確な打撃と戦術的な調整能力は高く評価されています。

那須川天心は本当に「拳の爆発力」がないのでしょうか?

天心自身も「自分の拳は他の選手ほど強力ではない」と認めていますが、それが進化への原動力になっていると指摘しています。彼は角度作りやリズムコントロールを重視しており、テクニカルなボクサーの代表格と言えるでしょう。

「ケールジャンピングアッパー」とは?

これは、那須川天心が2025年6月8日にビクトル・サンティリャンと対戦した際に使用したジャンピングアッパーカットです。この日はグリーンの装備を着用していたため、天心は自嘲的に「カエルジャンプ」と呼んでいました。相手を倒すことはできませんでしたが、彼らしい独創的なファイトスタイルを見せました。

次は世界選手権に挑戦しますか?

当初は2025年11月に世界選手権初挑戦を予定していましたが、現在のスケジュールと世界選手権の熾烈な競争を考えると、延期になる可能性もあります。しかし、彼は挑戦者リストに名を連ねており、いつでもチャンスを掴む準備ができています。

那須川は他の世界トップクラスのボクサーと比べてどのような強みを持っていますか?

那須川はキックボクシング時代に培った俊敏性と高い適応力を備えており、特に相手の動きを予測し、その場で調整するのが得意です。典型的なヘビーパンチャーではないものの、正確なパンチと柔軟なフットワークを持ち、テクニカルなタフさも兼ね備えています。

世界戦の対戦相手となりそうなボクサーは誰ですか?

現時点で最も有力視されているのは、WBA正規王者のアントニオ・バルガス、WBC・IBF統一王者の中谷潤人、そしてWBO王者の武井由樹です。これらは那須川の将来のターゲットとなる可能性のある選手です。

【那須川天心】は、パンチ力という課題を受け入れながらも、“ゼウス”を目指して歩み続ける未完のスターだ。世界挑戦という大舞台に向けて、彼の言動や試合内容はますます注目を集めている。勝利の裏にある反省、そして自分を信じる強さ──。彼のボクシング人生は、これからが本番である。

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